Round5 中道大輔VS仲田涼
Round5 中道大輔VS仲田涼
By Yuya Hosokawa


有言実行の男、中道大輔は三宅との35ポイント差を逆転すべく、今日も全勝街道をひた走る。

中道は今年も例年通り好調だ。PPTQの決勝で友人と当たり、「もし今日勝ってしまったら明日のPWCに参加出来ないからトスします」と言って勝ちを譲り、翌日に本当に優勝してしまうという離れ業をやってのけた。RPTQでもトップ8に残り、惜しくもプロツアーの権利を得ることはできなかったが、中道はその構築力とプレイングが確かなものであることを、改めて示してくれた。

勝てば勝つほど相手が強くなるのはトーナメントの常。そしてこのラウンドで立ちはだかったのは、文句無しの強豪だ。

反対側に座るは、グランプリ静岡チャンピオン、仲田涼。

近頃は多忙ゆえにマジックが出来ていなかったようだが、それでもここまでの成績は4-0。さすがグランプリチャンピオンだ。今日は緑赤エルドラージランプを使用している。

そしてランプを使用していることを知っている中道は、仲田とも知人であるため、苦い表情を浮かべながら軽口を飛ばす。

「ランプ相手は運、運、運。頼む~」

そして祈るようにダイスを振る。是が非でも先手が欲しい中道、再びつぶやく。

「先手欲しい~」

だが意地悪な神様は、仲田に先手をもたらした。


GAME 1


マリガンスタートとなった仲田は《森/Forest》が1枚しかないものの2枚目の土地さえ引けば回る初手を熟考の末キープした。占術で見えた《ウギンの聖域/Sanctum of Ugin(BFZ)》をそのまま積み、、《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》を唱える。返す刀で中道が放った《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》には目もくれず、《ニッサの巡礼/Nissa’s Pilgrimage(ORI)》でまずは土地を確保。

中道は《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》で捨てるカードに大いに悩み、結果選んだのは《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》。《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》を戦場に送ってターンをパスする。

《面晶体の記録庫/Hedron Archive(BFZ)》を唱えてそのまま追加の《ニッサの巡礼/Nissa’s Pilgrimage(ORI)》とマナを伸ばし続ける仲田に、中道は《強迫/Duress(M14)》を打ち込む。

《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》、《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller(OGW)》、《爆発的植生/Explosive Vegetation(ONS)》という3枚から《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》を抜き去り、《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》を《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》で処理と、完璧な対応。

更に続くターンに手札が《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller(OGW)》のみとなった仲田に《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》から《強迫/Duress(M14)》を打ち、《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》にも《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》を浴びせる。この間、《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》がトークンを生み出し続け、中道の押せ押せモードに。

このままではあっという間に《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》とモンクの群れに飲み込まれてしまう仲田。ここでドローしたのは《ニッサの誓い/Oath of Nissa(OGW)》。そして祈るようにめくった3枚の中には《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka(DTK)》!

《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》とトークン3体が戦場から消える。

だが次なる脅威として中道がプレイしたのは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》。再び仲田はトップデッキを強いられる。

仲田のドローはまたしても《ニッサの誓い/Oath of Nissa(OGW)》。そして開示したのは――《見捨てられた神々の神殿/Shrine of the Forsaken Gods(BFZ)》。一見するとハズレだが、そうではなかった。続けて《面晶体の記録庫/Hedron Archive(BFZ)》を生け贄に捧げると、そこには《世界を壊すもの/World Breaker(OGW)》の姿が。アンタップしている土地は6枚。そのうち1枚は今プレイした《見捨てられた神々の神殿/Shrine of the Forsaken Gods(BFZ)》。ぴったり7マナだ。

《世界を壊すもの/World Breaker(OGW)》で中道の唯一の赤マナを奪うと、《ウギンの聖域/Sanctum of Ugin(BFZ)》で《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》をサーチする。

赤マナか除去さえ引かれなければまさかの大逆転。

だったのだが。

中道は落ち着いて《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》を唱える。

そして2枚を決めるまでもなく《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を開示したのだった。


中道1-0仲田


GAME 2


今度は無事に7枚でゲームをスタート出来た仲田だったが、中道の《強迫/Duress(M14)》に襲われる。《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》があるために1ターン目にあえてプレイしなかった《ニッサの誓い/Oath of Nissa(OGW)》を抜き取られてしまう。

《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》には《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》、2枚目の《強迫/Duress(M14)》で《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》を捨てさせながら《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》と、ゲームは早くも中道のペース。

《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》は変身し、仲田の《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》もきちんと6枚目の土地をセットする前に《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》で焼き払う。

と、ここまで完璧な動きの中道だったが、今回は仲田に分があった。中道は仲田のカードに対処してはいたものの、クロックが一切なかったのだ。

《世界を壊すもの/World Breaker(OGW)》に《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》、おかわりにも《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》、《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》にも《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》。さばくたびに中道の手札は減っていく。

ようやく《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》を引き込むも、仲田の戦場には既に墓地から戻った《世界を壊すもの/World Breaker(OGW)》。

オーバーキル気味の《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》が中道の土地と《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》を食らいながら仲田の配下に加わると、中道は第3ゲームにすべてを託すことに決めた。


中道1-1仲田


GAME 3


このゲーム初めての先手となった中道だが、先に動いたのは仲田。《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》の返しで中道は《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》をプレイする。

3ターン目に《爆発的植生/Explosive Vegetation(ONS)》を唱える事が出来た仲田は、4マナを立ててターンを返してきた中道に対して、大いに悩む。

たくさんの選択肢がある中から仲田が選んだのは《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka(DTK)》。少考の末に中道はこれを《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》で打ち消す。更に《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》で《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》を処理し、《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》とトークンで一気にダメージを与え始める。

仲田は前のターンに温存していた《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller(OGW)》をプレイし、マイナス能力を起動。《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》をトークンごと焼き払う。《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller(OGW)》は2枚目の《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》で対処されるも、《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》は無事戦場に降り立ち、そのまま変身する。

更に《ニッサの誓い/Oath of Nissa(OGW)》が《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》をめくり、次のターンのアクションを中道に教えた。

この《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》は《強迫/Duress(M14)》で抜くものの、仲田の公開した手札には《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》の姿。

そして予告となった先発《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》が中道の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を追放する。

《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》をプレイして逆転に一縷の望みを賭けるも、仲田のドローは《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller(OGW)》。

《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》の二度目の攻撃が、中道のライフとライブラリーを削り取った。


中道1-2仲田

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